令和8年度「フィジカルAIを活用した過酷環境ロボティクスによる災害対応技術の高度化に向けたニーズ特定、試験評価基盤及び研究開発方策に関する調査研究」委託事業

事業・研究(令和8年度)

事業の目的

近年、大規模災害や局地的災害の発生が相次いでおり、災害現場における即応性と安全性を高める技術の重要性が増しています。令和6年能登半島地震をはじめとする複数の大規模災害では、倒壊建物内への進入調査、孤立集落への物資輸送、二次災害リスク下での状況把握など、人員派遣に伴うリスクを低減しながら、迅速に情報収集や対処を行うことへの需要が顕在化しました。

一方で、既存のドローンやロボット技術(無人地上車両UGV等)は、単体技術としては進展しているものの、通信途絶、環境耐性の不足、現場運用との不整合、制度上の制約などにより、災害現場での継続的な運用には十分に至っていません。日本では、ドローンの一部活用を除き、災害対応ロボットの社会実装が十分に進んでいないという課題があり、技術の成熟と社会実装の両面からの取組が求められています。

こうした状況を踏まえ、F-REIでは、技術シーズを起点とするのではなく、消防や自衛隊など災害救助を担う現場のニーズを起点として研究テーマを設定し、実用性の高い支援技術の開発を目指します。その前段階として、フィジカルAIを活用した過酷環境ロボティクスによる災害対応技術の高度化に向けて、現場ニーズの特定、試験評価基盤の在り方及び研究開発方策に関する調査研究を実施します。

令和8年度「フィジカルAIを活用した過酷環境ロボティクスによる災害対応技術の高度化に向けたニーズ特定、試験評価基盤及び研究開発方策に関する調査研究」委託事業の募集について

1.事業テーマ:フィジカルAIを活用した過酷環境ロボティクスによる災害対応技術の高度化に向けたニーズ特定、試験評価基盤及び研究開発方策に関する調査研究

① 災害対応機関等のニーズ特定及びユースケース化
消防、警察、自衛隊、自治体、インフラ事業者、防災関係者、災害対応に関わる研究者・技術者等を対象として、災害現場におけるロボット・ドローン活用に関する課題、期待、制約条件、導入上の障壁、運用上の要件等を調査する。調査に当たっては、ヒアリング、意見交換、現場視察等を通じて、一次情報の取得を重視すること。文献調査は国内外の文献を対象とする。特に、災害種別、発災後の時間軸、活動主体、現場環境、必要作業、運用制約、安全条件等を踏まえ、災害対応におけるロボット・ドローンの具体的なユースケースを整理すること。
また、抽出したニーズについては、単なる意見集約にとどめず、重要度、緊急度、実現可能性、研究開発上の難易度、社会実装上の課題等を踏まえて優先順位付けを行うこと。重点ユースケースについては、必要となる機能、性能、運用条件、評価指標、導入課題及び研究開発課題を具体的に整理すること。

② 国内外の先進技術・研究施設・試験評価基盤の調査
過酷環境ロボティクス、災害対応ロボット、ドローン、無人地上車両、遠隔操作、自律制御、群制御、ロボット用人工知能、フィジカルAI、デジタルツイン、シミュレーション、試験評価、標準化、認証、実証フィールド等に関する国内外の先進事例を調査すること。
調査対象には、研究機関、大学、企業、政府系研究施設、試験評価機関、災害対応訓練施設、ロボットテストフィールド、標準化・認証関連機関等を含めることが望ましい。応募者は、調査対象候補、調査項目、訪問先選定方針、比較分析方法を具体的に提案すること。
海外調査においては、F-REIの職員及び研究者が同行することを前提とし、受託者は、訪問先の選定、訪問調整、面談設定、調査項目の設計、現地での議論支援、通訳・翻訳、記録作成、訪問後の知見整理及び分析を行うこと。なお、F-REI職員及び研究者の旅費は、原則としてF-REIが別途負担するものとする。
海外調査の成果については、訪問先ごとの概要整理にとどめず、フィジカルAIを活用した過酷環境ロボティクスを推進する上で参考となる機能、設備、運用体制、データ取得方法、評価方法、外部連携の仕組み、産業化・社会実装の方策等を抽出し、比較分析すること。

③ 過酷環境ロボティクスに必要なデータ取得・活用基盤及び性能評価手法の検討
災害対応ロボット・ドローンを含む過酷環境ロボティクスの高度化に向けて、フィジカルAIを活用した過酷環境ロボティクスの研究開発に必要となるデータ取得・活用基盤について調査・検討すること。
本項におけるデータ取得・活用基盤とは、実環境または模擬災害環境、デジタル空間において、ロボット・ドローンの動作、周辺環境、通信状況、操作状況、判断過程及び失敗事例等に関するデータを体系的に取得し、蓄積、分析、再利用するための仕組みをいう。対象となるデータには、画像、映像、三次元点群、位置情報、接触・力覚情報等の環境・機体情報のほか、通信途絶、認識失敗、移動失敗(転倒、スタック等)、判断失敗、複数機連携の失敗等の失敗データ、オペレーターの判断及び災害対応機関側の運用判断に関する情報を含むものとする。
なお、具体的な対象データ、取得方法、分析方法及び活用方法については、応募者からの提案を求める。
また、重点ユースケースごとに、ロボット・ドローンに求められる性能、評価指標、試験方法、合否判定の考え方、訓練・実証への接続、研究開発へのフィードバック方法を整理すること。性能評価手法については、単なる技術仕様の列挙ではなく、災害現場での実運用に照らし、どのような条件で、何ができれば、現場で有用と判断できるのかを、標準化に活用する仕組みと共に明確化すること。

④ 福島ロボットテストフィールドを含む試験・評価基盤の在り方の検討
フィジカルAIを活用した過酷環境ロボティクスの研究開発、試験評価、データ取得、実証、訓練、産学官連携を推進するために必要となる試験・評価基盤の在り方を検討すること。
検討に当たっては、災害対応機関等のニーズ、重点ユースケース、国内外の先進施設調査、フィジカルAI用データ取得・活用基盤の検討結果を踏まえ、国としてどのような試験環境、模擬災害環境、計測設備、通信環境、データ管理機能、シミュレーション・デジタルツイン環境、外部利用制度、企業・大学等との共同利用の仕組みを整備すべきかを整理すること。
その上で、福島ロボットテストフィールドについて、フィジカルAIを活用した過酷環境ロボティクスの研究・実証拠点として活用・機能強化する場合に必要となる機能、設備、運用体制、整備上の課題、段階的な整備方策を提案すること。
提案に当たっては、短期的に実施可能な整備、中期的に必要となる機能強化、将来的に世界水準の研究・実証拠点として必要となる設備・運用体制を区分し、優先順位、概算規模、整備上の課題、運用上の留意点を整理すること。

⑤ 有識者検討会、分科会及びヒアリング等の企画・運営
本事業の実施に当たり、①~④の議論を行うのにふさわしい有識者で構成する検討会を設置し、令和8年度中に少なくとも3回開催すること。必要に応じて分科会、個別ヒアリング、ワークショップ、現地調査等を実施すること。これらの具体的な実施方法、対象者の選定、議論の進め方、得られた情報の整理方法については、応募者の提案を求める。
検討会及び分科会等の運営に当たっては、議論が拡散しないよう、事前に論点、仮説、調査項目及び整理軸を明確化すること。また、得られた意見を、ユースケース、必要性能、性能評価手法、試験環境、データ取得・活用方法、研究開発課題(現在できていないことをどの様に解決するのか)等に反映できるよう整理すること。令和8年度はこれらの整理結果を中間報告書としてまとめること。

 

2. 実施期間及び予算規模

実施期間は、最長2年間とする。ただし、契約は国の会計年度独立の原則に従い、単年度 ごとに締結する。 令和8年度の委託契約期間は、契約締結日から令和9年3月31日までを予定する。令和 9 年度の実施については、令和8年度の実施状況、F-REIによる評価、政府予算の成立状況 及びF-REIと受託者との協議を踏まえて決定する。

令和8年度予算額は、2億円を上限とする。

3. 募集期間

令和8年令和8年6月1日(月曜日)から令和8年7月1日(水曜日)17時00分まで(厳守)

4. 募集要領

(1)募集要項(PDF)

(2)募集要項様式(zip)

(3)契約書(案)(PDF)

(4)参考資料、ガイドライン等

5. 応募方法

応募書類は電子メールにより提出してください。送信先及び送信方法については募集要領等を御覧ください。

6. 説明会について

本募集に係る説明会を以下の日程で開催します。

(1)日時:令和8年6月16日(火曜日)11時00分~

(2)会場:オンライン(「Microsoft Teams」により行います。)

7. 今後の予定

(1)企画提案書の受付期間:令和8年6月1日(月曜日)から令和8年7月1日(水曜日)17時00分まで

(2)契約候補者の選定審査:令和8年7月

(3)契約候補者の決定通知:令和8年8月

(4)委託契約の締結:令和8年8月