土壌物理学に関する研究成果: 日本の主要な畑土壌「黒ボク土」の保水性の秘密を解明 ~農作物が利用できる水の量を正確に予測し、水管理の効率アップへ!~

土壌ホメオスタシス研究ユニット 藤井一至ユニットリーダーの論文が公開されました。

農家は植物を育てるとき、資源を無駄にしないために水を効率的に使用したいと考えています。しかし、植物に与える水の量は、各農家の経験と勘に左右されることが多いです。土壌の保水性はどのように保たれるのか、その要因を理解することで、農家は植物にいつ、どのくらいの量の水をやるべきかについて、より適切な判断をすることができます。特に、日本の農地の約半分を占める黒ボク土については、これらの要因のほとんどが未だ不明な点が多く課題となっています。 土壌ホメオスタシス研究ユニットリーダー 藤井一至率いる研究チームは、黒ボク土の保水性に大きな影響を与える土壌成分を見つけました。研究チームはこの発見を利用して、黒ボク土に含まれる水分量をより正確に推定できる新たなモデル式を開発しました。さらに研究チームは、有機物の量が増えると植物が利用しやすい水の量も増えることも発見しました。

藤井ユニットリーダーは「これまで、土壌の水分保持力の推定は時間と労力がかかる作業であったが、本研究では土壌の構成成分から保水性を推定することに成功した」「 有機物添加は、植物が利用できる水の量を増やすことに有用」と、本成果の意義を説明しました。

F-REIの土壌ホメオスタシス研究ユニットのユニットリーダーとして、藤井はまず、土壌の組成バランスを分析することから始め、福島の農業産業の再興を目指します。「これは土壌ホメオスタシスで、荒廃地等の土壌を再構築する上で基盤になる研究成果だと考える」 と、力強く語りました。

本成果を詳しく知りたい方はこちらをお読みください。

論文情報

雑誌名:Vadose Zone Journal
論文タイトル:Critical roles of short-range-order minerals in shaping soil water retention curves in volcanic regions
著者:Kazumichi FUJII, Chie HAYAKAWA, Takashi KOSAKI, Jan FROUZ, Sukartiningsih
DOI: https://doi.org/10.1002/vzj2.70036