放射性物質の動き-森林Radioactivity Dynamics in forests

(2025年)

福島県内の森林の落ち葉には、放射性セシウムがどの程度含まれているのですか

福島県が調査した県内5地点において、落ち葉(リター放射性セシウム137Cs (以下、とする)濃度は50387 Bq/kg(乾重で、暫定許容値(400 Bq/kg)を下回っており、林縁から森林内部にかけて明確な濃度勾配は見られませんでした。 

福島県では、福島第一原子力発電所事故由来の放射性物質が落ち葉などの有機性資源に含まれている場合があり、国は肥料や培土に用いる場合の暫定許容値を400 Bq/kgと定めています 

落ち葉は堆肥利用の際に林縁(林の端)から採取されることが多いと想定されますが、過去の研究では「林縁効果」として林縁部で線量率が高い事例が報告されました。 

福島県らの研究チームは、落ち葉を堆肥などに利用する際の安全性を考えるため、福島県内の森林(広葉樹が多い場所)で林縁周辺の落ち葉に含まれるセシウム濃度がどのように分布しているかを調査しました 

表1 各調査地の情報 

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調\査方法 

調査地は広葉樹が優占する中通り4か所(A~D)と浜通り1か所(E)の計5森林としました。2023年12月~2024年1月に各地で1回ずつ、10 m×10 mのメッシュを15に区分し、中心から落ち葉(本調査では腐食が進んでいない広葉樹の落ち葉を「リター」としましたと土壌(深さ5 cmまで)を採取しました。試料中の137Cs濃度はゲルマニウム半導体検出器で測定しました。 

 

調査結果 

各調査地でのリターの平均濃度は50387 Bq/kg(乾重、土壌の平均濃度は1,80315,523 Bq/kg(乾重)と幅がありました。リターと土壌の間に明確な正の相関(「リターが高ければ土壌も高い」といった一貫した関係)は見られませんでした。 

 

図1 各調査地のリター(左)と土壌(右)の137Cs濃度 

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図2 各調査地のリターと土壌の137Cs濃度の相関 

また、林縁から森林内部へ向かって濃度がはっきり変化する林縁効果のパターンは、今回の調査地(広葉樹が多い場所)では観察されませんでした。 

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図3 各調査地のリター(左:緑)と土壌(右:赤)の137Cs濃度の分布 

調査で得られたリターの137Cs濃度は概ね暫定許容値(400 Bq/kg)に近いかそれ以下の範囲でした。過去の調査で報告された林縁効果は針葉樹林を対象とした研究が多く、今回の調査のように広葉樹が優占する森林では林縁効果がはっきり現れない可能性が示唆されます。 

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