福島国際研究教育機構業務方法書

令和5年規程第1号
令和5年4月3日

目次

  • 第1章 総則(第1条~第2条)
  • 第2章 業務に関する事項(第3条~第19条)
  • 第3章 業務委託の基準(第20条)
  • 第4章 競争入札その他契約に関する基本的事項(第21条)
  • 第5章 業務の適正を確保するための体制等(第22条~第32条)
  • 第6章 その他機構の業務の執行に関して必要な事項(第33条~第34条)
  • 附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この業務方法書は、福島復興再生特別措置法(平成24年法律第25号。以下「法」という。)第125条において準用する独立行政法人通則法(平成11年法律第103号。以下「通則法」という。)第28条第1項の規定に基づき、同条第2項、福島復興再生特別措置法施行規則(平成24年復興庁令第3号)第57条及び福島国際研究教育機構の業務運営に関する命令(令和5年復興庁、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、環境省令第1号)第8条に規定する事項を定め、もって福島国際研究教育機構(以下「機構」という。)の業務の適正な運営に資することを目的とする。

(業務運営の基本的方針)

第2条 機構は、原子力災害からの福島の復興及び再生に寄与するため、法第90条第1項に定める新産業創出等研究開発基本計画(以下「基本計画」という。)に基づき、福島における新たな産業の創出及び産業の国際競争力の強化に資する研究開発(以下「新産業創出等研究開発」という。)並びにその環境の整備及び成果の普及並びに新産業創出等研究開発に係る人材の育成及び確保等の業務の重要性に鑑み、業務の適正かつ効率的な運営を期するものとする。

2 機構は、業務の遂行に当たっては、関係する国の機関及び地方公共団体、国内外の研究機関、大学その他の学校及び企業等(以下「国内外研究機関等」という。)と緊密な連携及び協力を図るものとする。

第2章 業務に関する事項

(新産業創出等研究開発及びその環境の整備)

第3条 機構は、新産業創出等研究開発及びその環境の整備を行うものとする。

2 機構は、新産業創出等研究開発を機構以外の者に委託することにより当該研究開発を実施することが適当な場合には、機構以外の者に委託することができる。

3 機構は、前2項の実施に当たっては、基本計画に基づく研究開発、知的財産の動向の調査及び把握、課題の選定、実施機関の設定並びに適切な研究開発体制の構築を行うものとする。

(新産業創出等研究開発の受託)

第4条 機構は、機構以外の者からの依頼に応じて、新産業創出等研究開発の実施を受託することができる。

2 機構は、前項の受託をしようとするときは、委託者とその受託に関する契約を締結するものとする。

3 前項の契約において定める事項は、次に掲げるものとする。

  • (1)新産業創出等研究開発の目的及び期間
  • (2)新産業創出等研究開発の概要
  • (3)新産業創出等研究開発の実施に係る経費
  • (4)知的財産権の取扱い
  • (5)その他必要な事項

(共同研究)

第5条 機構は、他の者と共同して行う新産業創出等研究開発(以下「共同研究」という。)を実施することができる。

2 機構は、共同研究を行おうとするときは、その相手方と共同研究に関する契約を締結するものとする。

3 前項の契約において定める事項は、次に掲げるものとする。

  • (1)共同研究の目的及び期間
  • (2)共同研究の概要
  • (3)共同研究の実施に係る経費
  • (4)知的財産権の取扱い
  • (5)その他必要な事項

(国内外における連携活動)

第6条 機構は、国内外研究機関等と連携して、新産業創出等研究開発のための協力を積極的に実施するものとし、また、国内外研究機関等との間に必要な取決等を締結することができる。

(知的財産権の実施の許諾、譲渡等)

第7条 機構は、新産業創出等研究開発から得られた知的財産権の実施を許諾し、又は譲渡すること等により、新産業創出等研究開発により得られた成果(以下「研究開発成果」という。)の実用化及び普及を効果的に推進する。

2 機構は、前項の業務の実施に関する規程等を整備するものとする。同規程等には次に掲げる事項を定めるものとする。

  • (1)知的財産権の実施を許諾するための基準
  • (2)知的財産権の譲渡をするための基準
  • (3)その他必要な事項

3 機構は、第1項の業務を実施するときは、別に定めるところにより、適正な対価を徴収することができる。

(新産業創出等研究開発の成果の普及)

第8条 機構は、前条に掲げる知的財産権の実施の許諾、譲渡等によるほか、次に掲げる方法により、研究開発成果の普及を行うものとする。

  • (1)研究開発成果に関する発表会を開催すること。
  • (2)研究開発成果に関する報告書等を作成しこれを頒布すること。
  • (3)研究開発成果に関する講習会を開催すること。
  • (4)研究開発成果の展示を行うこと。
  • (5)研究開発成果を電子的に発信すること。
  • (6)その他研究開発成果に応じた適切な方法

2 機構は、前項の業務を実施するときは、別に定めるところにより、適正な対価を徴収することができる。

(新産業創出等研究開発及びその環境の整備に対する助成)

第9条 機構は、国内外研究機関等又はその研究者等に対し、新産業創出等研究開発及びその環境の整備に関し、必要な助成を行うものとする。

(施設等の利用)

第10条 機構は、機構の施設及び設備(以下「施設等」という。)を法第88条の2に規定する事業活動を行う者その他の新産業創出等研究開発に資する活動を行う者の利用に供する場合は、利用の目的、利用の期間、緊要性、自らの新産業創出等研究開発への影響、社会・経済上の重要性等を勘案するものとする。

2 機構は、施設等を機構以外の者の利用に供する場合には、機構以外の者と当該施設等の利用に関する契約を締結するものとする。

3 機構は、前項の契約を締結する場合には、別に定めるところにより、適正な対価を徴収することができる。

(研究者等の養成及び資質の向上)

第11条 機構は、次に掲げる方法により、新産業創出等研究開発に関する研究者、技術者等の養成及び資質の向上を図るものとする。

  • (1)国内外の研究者、技術者、大学院生等の受入その他の方法による研修及び指導
  • (2)機構の役員、研究者及び技術者の派遣その他の方法による研修及び指導
  • (3)その他適切な方法

2 機構は、前項に掲げるもののほか、研究者等の養成及び資質の向上に資する取組として、地域の未来を担う若者世代や、企業の専門人材等を主な対象とした人材育成の取組を進める。

3 機構は、前2項の研修、指導等を受けた者から、別に定めるところにより、適正な対価を徴収することができる。

(職員の資質の向上)

第12条 機構は、機構の職員の資質の向上を図るため、当該職員の国内外研究機関等への派遣、研修の受講その他の措置を講ずることができる。

(新産業創出等研究開発に関する研究者等の海外からの招へい)

第13条 機構は、海外からの新産業創出等研究開発に関する研究者等の招へいを効果的に行うものとする。

(新産業創出等研究開発協議会の設置及び運営)

第14条 機構は、新産業創出等研究開発並びにその環境の整備及び成果の普及並びに新産業創出等研究開発に係る人材の育成及び確保に関する施策並びにこれらに関連する施策の実施に関し必要な協議を行うため、法第109条第1項に規定する新産業創出等研究開発協議会の設置及び運営並びに当該協議会の構成員との連絡調整を行うものとする。

(新産業創出等研究開発に係る情報及び資料の収集、分析及び提供)

第15条 機構は、新産業創出等研究開発に係る内外の情報及び資料の収集、分析及び提供を適切に行うものとする。

(原子力発電所の事故に係る放射線に関する情報の収集、分析及び提供並びに広報活動及び啓発活動

第16条 機構は、法第4条第2号に定める原子力発電所の事故に係る放射線に関する情報の収集、分析及び提供並びに当該放射線に関する国民の理解を深めるための広報活動及び啓発活動を適切に行うものとする。

(出資並びに人的及び技術的援助)

第17条 機構は、新産業創出等研究開発の成果の活用を促進する事業であって政令で定めるものを実施する者のうち適当であると認められる者に対し、出資並びに人的及び技術的援助を行うものとする。

2 機構は、前項の出資により取得した株式を処分することが適当であると認められるときは、その全部又は一部を処分することができる。

(新産業創出等研究開発に関する研修・教育活動等)

第18条 機構は、機構以外の者から委託を受け、又はこれと共同して行う新産業創出等研究開発に関する研修その他機構以外の者との連携による新産業創出等研究開発に関する教育活動(以下この条において「研修等」という。)を行うものとする。

2 機構は、地方公共団体や民間企業等からの委託を受けて前項の研修等を行おうとするときは、必要に応じて委託者と別に定める事項について受託契約を締結する。

3 機構は、前項の契約を締結する場合には、別に定めるところにより、適正な対価を徴収することができる。

(附帯業務)

第19条 機構は、第3条から前条までに定める業務に附帯する業務を行うものとする。

第3章 業務委託の基準

(業務の委託)

第20条 機構は、第3条第2項の規定に基づき委託するもののほか、自ら業務を実施するよりも、委託して実施することが効率的であると認められる業務については、その業務の実施を委託することができる。

2 機構は、第3条第2項及び前項の委託をしようとするときは、受託しようとする者とその委託に関する契約を締結するものとする。

3 前項の契約において定める事項は、次に掲げるものとする。

  • (1)委託の目的及び期間
  • (2)委託の概要
  • (3)委託に係る経費
  • (4)その他必要な事項

第4章 競争入札その他の契約に関する基本的事項

(契約の方法)

第21条 機構は、売買、貸借、請負その他の調達に係る契約を締結する場合においては、原則として、全て公告して申込みをさせることにより競争に付すものとする。ただし、契約の性質又は目的が競争を許さない場合又は予定価格が少額である場合その他別に規程等で定める場合は、指名競争又は随意契約によることができるものとする。

第5章 業務の適正を確保するための体制等

(内部統制に関する基本方針)

第22条 機構は、内部統制システム(役員(監事を除く。)の職務の執行が法、通則法又は他の法令に適合することを確保するための体制その他機構の業務の適正を確保するための体制をいう。)を整備するとともに、継続的にその見直しを図るものとする。

(役員会の設置及び役員の分掌に関する事項)

第23条 機構は、役員会の設置に関する規程等を整備するものとする。同規程等には、次の事項を定めるものとする。

  • (1)機構における意思決定ルールの明確化に関する事項
  • (2)理事長の意思決定を補佐する役員会の設置に関する事項
  • (3)役員の事務分掌明示による責任の明確化に関する事項

(内部統制の推進に関する事項)

第24条 機構は、内部統制の推進に関する規程等を整備するものとする。同規程等には、次の事項を定めるものとする。

  • (1)役員を構成員とする内部統制委員会等の設置に関する事項
  • (2)内部統制を担当する役員の決定に関する事項
  • (3)内部統制を推進する組織の指定及び内部統制推進責任者等の指定に関する事項
  • (4)内部統制を担当する役員、内部統制を推進する組織及び推進責任者間における報告会の実施に関する事項
  • (5)内部統制を担当する役員から内部統制委員会等への報告及び改善策の検討に関する事項
  • (6)内部統制を担当する役員と職員との面談の実施に関する事項
  • (7)内部統制を担当する役員によるモニタリング体制の運用に関する事項
  • (8)内部統制を推進する組織におけるモニタリング体制の運用に関する事項
  • (9)内部統制に関する研修の実施に関する事項
  • (10)コンプライアンス違反等の事実発生時における対応に関する事項
  • (11)反社会的勢力への対応に関する事項
  • (12)関係各部署の業務手順の作成(標準業務手順、マニュアル整備等)に関する事項

(リスク評価と対応に関する事項)

第25条 機構は、業務実施の障害となる要因を事前にリスクとして識別、分析及び評価し、当該リスクへの適切な対応を可能とする規程等を整備するものとする。

(情報の適切な管理及び公開に関する事項)

第26条 機構は、情報の適切な管理及び公開に関する規程等を整備し、機構の意思決定に係る文書が適切に管理されることを担保するとともに、財務情報を含む法人情報のインターネット等での公開に関する規程等を整備するものとする。

(情報セキュリティの確保及び個人情報保護に関する事項)

第27条 機構は、情報セキュリティの確保及び個人情報保護に関する規程等を整備するものとする。同規程等には、次に掲げる事項を定めるものとする。

  • (1)情報システムのぜい弱性対策、アクセスログの定期的点検、情報リテラシーの向上等の情報セキュリティの確保に関する次に掲げる事項
    イ 情報システムに関するリスクに対するコントロールが適切に整備・運用されていることを担保するための有効な手段の確保に関する事項
    ロ システム管理を外部に委託している場合を含む情報漏えいの防止に関する事項
  • (2)個人情報保護に関する次に掲げる事項
    イ 個人情報保護に係る点検活動の実施に関する事項
    ロ 「独立行政法人等の保有する個人情報の適切な管理のための措置に関する指針(平成16年9月14日総務省行政管理局長通知)」の遵守に関する事項

(監事及び監事監査に関する事項)

第28条 機構は、監事及び監事監査に関する規程等を整備するものとする。同規程等には、次の事項を定めるものとする。

  • (1)監事に関する事項
    イ 監事監査に関する規程等の整備に対する監事の関与に関する事項
    ロ 理事長と意思疎通を確保する体制に関する事項
    ハ 監事及び会計監査人と理事長との会合の実施に関する事項
  • (2)監事監査に関する事項
    イ 監事監査に関する規程等に基づく監査への協力に関する事項
    ロ 監査結果に対する改善状況の報告に関する事項
    ハ 監査結果の主務大臣及び理事長への報告に関する事項
  • (3)監事によるモニタリングに必要な次の事項
    イ 監事の役員会等重要な会議への出席に関する事項
    ロ 業務執行の意思決定に係る文書を監事が閲覧・調査できる仕組みに関する事項
    ハ 監事と会計監査人との連携に関する事項
    ニ 監事と内部監査担当室との連携に関する事項
    ホ 役職員の不正、違法、著しい不当事実の監事への報告義務に関する事項
    ヘ 監事から文書提出や説明を求められた場合の役職員の応答義務に関する事項

(内部監査に関する事項)

第29条 機構は、内部監査担当室を設置し内部監査を実施するとともに、内部監査の結果に対する改善措置状況を理事長に報告するものとする。

(内部通報及び外部通報に関する事項)

第30条 機構は、内部通報及び外部通報に関する規程等を整備するものとする。同規程等には、次の事項を定めるものとする。

  • (1)内部通報窓口及び外部通報窓口の設置に関する事項
  • (2)内部通報者及び外部通報者の保護に関する事項
  • (3)内部通報及び外部通報が、内部統制を担当する理事や監事に確実にかつ内密に報告される仕組みの整備に関する事項

(入札及び契約に関する事項)

第31条 機構は、入札及び契約に関する規程等を整備するものとする。同規程等には、次の事項を定めるものとする。

  • (1)入札不調等により中期計画の達成が困難となる場合の対応に関する事項
  • (2)談合情報がある場合の緊急対応に関する事項
  • (3)契約事務の適切な実施、相互けん制の確立に関する事項

(新産業創出等研究開発業務の評価及び不正防止に関する事項)

第32条 機構は、新産業創出等研究開発業務の評価及び新産業創出等研究開発業務における不正防止に関する規程等を整備するものとする。同規程等には、次の事項を定めるものとする。

  • (1)新産業創出等研究開発業務の評価に関する事項
    イ 評価体制に関する事項
    ロ 予算の配分への反映に関する事項
  • (2)新産業創出等研究開発業務における不正防止に関する事項
    イ 厳格なルールを要する研究開発におけるリスク要因の認識と明確化に関する事項
    ロ 経費の適正経理に関する事項
    ハ 経費執行の内部けん制に関する事項
    ニ 論文ねつ造等不正の防止に関する事項
    ホ 研究開発内容の漏えい防止に関する事項
    ヘ 研究開発資金の管理状況把握に関する事項

第6章 その他機構の業務の執行に関して必要な事項

(施設等の貸与)

第33条 機構は、機構の業務運営に支障のない範囲において、第10条に定める施設等の機構以外の者への供用のほか、機構の施設等の一部を機構以外の者に貸与することができるものとする。

2 機構は、前項の貸与を実施するときは、別に定めるところにより、適正な対価を徴収することができる。

(その他の業務の方法)

第34条 この業務方法書に定めるもののほか、業務に関し必要な事項は理事長が別に定める。

附則

この業務方法書は、主務大臣の認可のあった日から施行し、令和5年4月1日から適用する。